海の中には、珊瑚礁やダイナミックな地形の他、第二次世界大戦の痕跡が見られる戦争遺跡も残っています。ダイバーの中には、海の中だからこそ沈んだままの状態で残っている戦艦や戦闘機に特別な魅力を感じる方も多いと思います。世界大戦中に戦場となった沖縄の海にも多くの戦争遺跡が残りますが、中でも最大のものがUSS Emmonsです。
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公式サイト エモンズ(USS Emmons)ダイビング・沖縄最大の沈没船
USS Emmonsとは
USS Emmonsは第二次世界大戦中に活躍した米軍の高速掃海艇駆逐艦です。艦名はジョージ・F・エモンズ海軍少将から取られ、日本では「エモンズ」と呼ばれています。大戦末期にUSS Rodmanとともにレーダーピケット任務で航行中、日本軍の特攻機からの攻撃を受けました。そのうち1機の突入が爆薬庫の爆発を引き起こし、修復不能に。翌日に米軍の手で魚雷を打ち込まれ、沈没処分とされました。現在は沖縄本島北部の古宇利島付近の海底に沈んでいます。
当時の状況の調査も続く
大戦中に沈没したエモンズですが、再発見されたのは実に戦後55年が経過した2000年のことでした。その後、様々な調査や研究が行われ、当時の状況が少しずつ明らかになってきました。エモンズに突入したのは神風特攻隊の九八式直接共同偵察機と考えられ、エモンズの船尾付近には特攻機のエンジンも残っています。エモンズが攻撃を受けたとされる1945年4月6日には、旧陸軍の「第一次航空総攻撃」が決行され、九八式26機の出撃記録があります。古宇利島周辺には、他にも日本軍の特攻機が眠っているかもしれません。
エモンズの現在の姿
エモンズは全長106mにもなる沖縄最大級の戦争遺跡です。水深33〜47m付近に、船首を西に向けて沈んでいます。沈没時の特攻機の突入や米軍の魚雷によって、当初からあった損傷に加え、戦後80年近くが経過する中で老朽化が進んでいます。2020年以降、副砲や船首が相次いで崩壊するなど、金属の酸化等によるダメージの蓄積が伺える状態です。原形に近い状態が見られる時間は限られています。実際に使用されていたエモンズの巨大な主砲や機関銃をぜひ実際に見てみてください。
エモンズの難易度
ここまでエモンズの概要を説明してきましたが、戦争遺跡に興味のある方には非常に魅力のあるダイビングスポットではないでしょうか。そんなエモンズのダイビングスポットとしての難易度は、「上級者向け」のレベルです。エモンズは水深20m付近から船体が見え始め、近づくには30m以上まで潜る必要があります。さらに、潮の流れが速い場合も多く、周囲には魚雷や火薬などの爆発物も残るので、水中での体の動きをコントロールする技術も必要です。
エモンズへのダイビングに必要なライセンス
エモンズへのダイビングには、アドバンスレベル以上のライセンスが必須になります。水深も深いため、ディープダイビングのスペシャリティも取得してから行きましょう。それでもレジャーダイビングの範囲で行けるのは頭上が開けたところで水深40mまで。40mを超える場所や、船内に行きたい場合はテクニカルダイビングが必要です。船内に入ると司令官室や厨房、トイレなどを見ることができます。
じっくり探索・撮影するならワールドダイビング
水中の戦争遺跡が好きな方がエモンズへ行くのにおすすめのショップが、ワールドダイビングです。ワールドダイビングは沖縄恩納村にあるプライベートショップで、一人旅や少人数のお客さんが多いのが特徴です。全てのコースで少人数制を徹底しており、一人一人のペースに合わせて丁寧・親切にガイドしてもらえます。さらに、マイペースに探索や撮影をしたい方は、シングルチャージを支払うと1人でのダイビングも可能です。撮影機材のレンタルや撮影方法のアドバイスなども行っています。また、ワールドダイビングは日本で数少ないテクニカルダイビングを実施しているショップでもあります。テクニカルダイビングのライセンスを持っている方は予約時に相談してみてください。
ライセンス取得にもおすすめ
ワールドダイビングは、エモンズに行くにあたって新たなライセンスの取得が必要な方にもおすすめです。エモンズへのダイビングに必要な全てのライセンスコースが開催されています。また、テクニカルダイビングについても、ライセンスコースの指導が可能なインストラクターの紹介を行っています。
まとめ:USS Emmonsの現在の姿を見に行こう!
沖縄最大級の戦争遺跡、エモンズ。原形に近い姿を見られる期間は限られています。難易度は高めのダイビングスポットですが、戦争遺跡に興味がある方にとっては、新たにライセンスを取得してでも、一目見てみる価値があると思います。